X形配筋はRC部材のせん断破壊を防ぐために有効な配筋法であり,せん断スパン比の小さな部材で広く活用されている。この配筋法に関して,本年2月に日本建築学会から設計と施工に関する指針が刊行された。本指針では,曲げ,せん断共に平行配筋による耐力とX形筋による耐力を重ね合わせる形で設計式が構成されている。また反曲点位置が部材中央から離れるに連れてせん断耐力を低減する形となっており,短期設計から終局設計までを一貫した形で設計指針にまとめている。さらに2010年版「鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」4)の考え方と整合を取っている。