NEXCO各社では,RC床版の劣化対策として上面増厚工法による床版補強を多数実施しているが,上面増厚床版の中には補強後数年で増厚層のはく離などに伴う舗装変状が発生する事象があり,その要因の特定と対策が求められていた。本稿は上面増厚床版に発生する変状について,実態調査と要素試験および輪荷重走行試験による劣化要因の推定を行い,その改善対策について輪荷重走行試験により検討した内容について報告するものである。検討の結果,変状は既設床版の劣化程度に影響を受けること,また発生位置は増厚層の施工目地部に多いことが判明した。その対策として,弱点となる施工目地部において十分な付着性能を確保する対策を行うことと,既設床版の劣化程度を適切に考慮した上で上面増厚を行うことが重要であることが判明した。