2013 年 51 巻 4 号 p. 335-339
北海道新幹線の津軽蓬田トンネルでは,場所打ちライニング工法を適用した。本工法は,自立性の低い地山にトンネルを構築する新しいトンネル工法であり,シールドマシンでの掘削と同時に,場所打ちコンクリートによって一次覆工を構築する工法である。本工法の一次覆工コンクリートには,長時間のポンプ圧送性と確実な初期強度発現性が要求される。津軽蓬田トンネルのコンクリートには,水和速度を掘進速度に応じて臨機応変に調整できる配合を適用した。また,季節配合を設定せず,季節の移行によるコンクリート性状の緩やかな変化に対し,混和剤添加率を連続的に調整することによって,年間を通じて安定した性状を確保することができた。