2015 年 53 巻 10 号 p. 861-866
近年,構造物からのコンクリート片の剥落防止や火災時の爆裂防止などを目的として,ポリプロピレン短繊維のコンクリート構造物への適用が増加している。その背景のもとに,2015年3月20日に,使用者および製造者の利便性を図る目的で,ポリプロピレン短繊維の日本工業規格が制定された。この報告は,公示されたコンクリート用ポリプロピレン短繊維の日本工業規格の概要と日本工業規格の制定に際して問題となった事項について紹介している。また,市販されているポリプロピレン短繊維の種類,繊度,繊維などの品質およびコンクリートに適用した場合の繊維の効果などについても紹介している。