本稿は,土木学会コンクリート標準示方書[施工編]に示されている,打込み時のコンクリート温度が35°Cを超えることが予想される場合に検討が必要な5項目に関して,実験的および解析的に行った検討結果について報告するものである。フレッシュコンクリート,硬化コンクリートの品質およびコンクリートの施工性については35°Cを境に顕著な変化は見られなかったが,設計・施工上の留意点と対策をとるうえで参考となるデータを示した。一方,温度ひび割れや初期高温履歴に関しては,要求性能を明確にし,計画・設計段階から効果的な対策を検討する必要があることを示した。