2020 年 58 巻 4 号 p. 265-272
日本建築学会では,「プレストレストコンクリート造建築物の保有水平耐力計算指針(案)・同解説」を発刊した。1981年の「新耐震設計法」が導入されてから,多くのプレストレストコンクリート(PC)建築物で用いられている保有水平耐力計算法を日本建築学会として初めて明文化した。一次設計時に,損傷制御設計として部材の使用限界応力によるチェックを行うこととし,二次設計で安全性確保のため,建築物の崩壊メカニズムによる保有水平耐力のチェックを行うこととした点に本指針の特徴がある。