3Dプリンティングによるコンクリートの施工はこれまでの方法を画期的に変えるものであり,型枠が不要となることなどによって省力化や工期短縮に寄与することはもとより,構造最適化設計により新しい形式の構造開発にもつながる可能性がある。一方,実用化にあたっての課題も数多くあり,3Dプリンティングで施工可能なコンクリートの物性の明確化,性能を実現するための材料開発,耐久性の確認,構造安全性確保の方法などの検討が必要である。そのため,JCIにFS委員会が設立され,国内外の技術の現状を調査するとともに,委員によるワークショップを開催し実用化に至るまでのロードマップを作成した。本稿では,それらについて報告するとともに,国内の技術開発の最新状況を紹介する。