打継目は構造物の性能や耐久性に大きく影響するため,高い品質が求められる。従来から用いられている打継目処理剤には,散布時期のばらつきや散布ムラが生じた場合,処理効果に偏りが生じるという課題がある。その課題に対して,打込み直後に散布することで安定した処理効果が得られ,散布後の視認性を付与することで散布ムラを防止できる打継目処理剤を開発し,打継目の品質向上を可能とした。また,開発した打継目処理剤は散布までの時間が短縮でき,休日を挟んでも打継ぎ処理を可能にしたため,生産性向上にも貢献する。本論文では打継ぎ処理の機構を明確にしたうえで,打継目処理剤の開発過程を示し,実施工に適用した事例を紹介する。