2024 年 62 巻 11 号 p. 941-946
本稿は,日本建築学会「フライアッシュを使用するコンクリートの調合設計・施工指針・同解説」の改定の概要について解説する。近年,フライアッシュの建築用コンクリートへの使用に際しては,環境側面への配慮がより重要となった。今回の主な改定は,フライアッシュコンクリートの環境性,塩分浸透抑制対策としてフライアッシュを使用するコンクリート,水中コンクリートについて新たな章を設けた。また,フライアッシュを細骨材の一部と置換するコンクリートを独立した章とした。調合において,強度寄与率(k値)を用いた水結合材比の設定について,前回改定(2007年)以降の研究成果,実績などを反映して充実させた。