2024 年 62 巻 11 号 p. 958-964
八王子水再生センターは,東京都多摩地区の汚水を処理し,多摩川へ放流する重要な施設である。本工事は,想定される最大級の地震に対して,地震後もライフラインの機能を確保するために,東京都下水道局が進める水再生センター施設の耐震化事業の一環である。本工事の特徴は,①坑内の作業空間が狭く放流渠の天井作業は足場作業且つ上向き施工となる,②チッピング作業やずれ止めアンカー作業の際,粉塵飛散による作業環境悪化,③200mmという狭隘な区間へのコンクリート打込みにおける品質向上が課題であった。その対策として,「天井用乾式研掃装置」,「自動アンカー削孔装置」,「現場添加型高流動化コンクリート」を採用した。その施工事例を紹介する。