2024 年 62 巻 3 号 p. 209-215
コンクリート構造物の構築において,施工は設計で想定した構造物を実現するための行為である。設計図書には構造物の施工に関する制約条件に加えて,施工において配慮が必要な事項が明示され,施工者に設計者の意図が伝えられる。示方書[施工編]では,施工者が設計図書を正確に理解し,要求性能を満足する構造物の構築を実現するために,施工を行う上で必要となる基本的な考え方と,具体に施工を計画し,実施する上で参考となる標準的な材料や施工方法等を記載している。施工の情報は,将来における構造物の維持管理上の重要な資料になるので,施工の記録により示方書[維持管理編]に基づく維持管理に引き継ぐことも重視した内容としている。