コンクリートジャーナル
Online ISSN : 2186-8247
Print ISSN : 0023-3544
ISSN-L : 0023-3544
コンクリート用細骨材としての海砂の問題点
石川 達夫松下 博通葛城 浩三
著者情報
ジャーナル フリー

1973 年 11 巻 10 号 p. 93-103

詳細
抄録

最近, 川砂, 丘砂の欠乏により, 海砂をコンクリート用細骨材として使用することが余儀なくされている。海砂が丘砂と異なる所は, 不純物, 特に塩分と貝がらを含むことである。
この報告では, 海砂の実態調査結果と, 塩分および貝がらの含有がコンクリートの物理的性質に及ぼす影響を調べた結果を述べるものであり, 結論を要約すると次のとおりである
1) 海砂の塩分含有量は0.02~0.3%であり, 貝がら混入量は2.5mm以上のものについて0.7%である。
2) 海砂中の塩分含有により, セメノトの凝結時間は短縮され, コンクリートの長期強度は低下する。しかし, 塩分含有量が0.1%程度まではその影響はほとんど認められない。
3) 海砂中に貝がらを含んでいるにもかかわらず, それを用いたコンクリートの物理的性質は実用上変化しない。
しかし, オートクレープ養生を行なうコンクリートでは強度低下が認められる。

著者関連情報
© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
前の記事
feedback
Top