コンクリート工学
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鉄筋と凍土の複合体「鉄筋凍土」に関する基礎実験
榎戸 源則
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1983 年 21 巻 2 号 p. 35-44

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抄録

土が凍結すると圧縮強度を増し, -30℃では, 普通のコンクリートの圧縮強度と同じ200kgf/cm2程度の強度に達する。そのときの引張強度もコンクリートと同様に圧縮強度の約1/10である。そこで, 鉄筋コンクリートと同じように, 凍土の引張り側を鉄筋で補強した, 鉄筋と凍土の複合体「鉄筋凍土」の成立の可能性について基礎実験を行った。その結果, 鉄筋凍土も複合体として機能するための3条件, (1)鉄筋と凍土の付着強度は鉄筋とコンクリートの付着強度以上である, (2)鉄筋と凍土の線膨張係数はほぼ等しい, (3)普通の凍土の中では, 鉄筋にさびの発生は見られない, を満たすことが明らかになった。

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© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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