コンクリート工学
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コンクリートの破壊力学の現状と展望
三橋 博三
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1987 年 25 巻 2 号 p. 14-25

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抄録
古典的な「破壊力学」の考え方は, ひびわれ伝播の問題を理論的に扱うのに有効な方法ではあるが, 均質弾性体の中にある単一ひびわれを対象としている。しかしながら, コンクリートは複合材料であって, 極めて非均質である。したがって, ひびわれ伝播は骨材によって阻止され, 主ひびわれの周りには大きな微細ひびわれ累積領域が形成されるために, 従来の「破壊力学」をコンクリートに応用することはできない。本稿は, 従来の「破壊力学」の適用限界性を明らかにし, コンクリートの特性を踏まえた破壊力学に関する研究の現状を紹介し, 今後の展望について述べる。
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© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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