コンクリート工学
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コンクリート工学における非破壊試験法の現状
大津 政康
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1993 年 31 巻 12 号 p. 5-14

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抄録
コンクリートの非破壊試験法 (NDT) は, 劣化診断技術および補修・補強技術への要請の高まりから大きな関心を呼んでいる。そこで, 利用可能な技術の現状に関して最新の成果を中心に解説した。従来から知られているNDTは, 主として強度特性の評価に対して用いられてきたが, 強度以外の劣化および欠陥, 物理・化学的性質, 鉄筋腐食などの評価に関する試験法としてのNDTにも注目が集まっている。そこで, とくに劣化および欠陥評価のための技術に着目し, 開発動向あるいは現状の問題点などを明らかにした。劣化診断の要点は, 人体にたとえるなら病気の判定と治療法の決定にある。このために専門の医者が存在するわけであるが, われわれ土木技術者が構造物の医者となるには, まだまだ知見が不足している。したがって, NDTに基づいた適切な検査法と診断システムの確立は, 今後, 土木技術者の重大なテーマとなると考えられる。
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© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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