コンクリート工学
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コンクリートの破壊解析への個別要素法の適用
目黒 公郎
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1993 年 31 巻 5 号 p. 5-17

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抄録
本解説では, コンクリートの破壊問題の新しい解析手法として, 拡張個別要素法 (EDEM) を紹介する。EDEMは, 連続体から完全非連続体に至るまでの一連の挙動を, 統一的に解析できる手法である。破壊発生までの解析に加えて, 破壊の進行過程までの解析が可能であり, 破壊現象の「空間的・時間的な広がり」をうまく表現する。連続体解析法では解析が困難な, 強い非連続性や不均質性を有する媒質の破壊 (崩壊, 粉砕, 滑り, 剥離, 衝突など) を伴う大変形問題などの解析に適している。ここでは, コンクリートの微視的破壊メカニズムの解明を目的としたミクロなモデル化, 構造物全体の破壊挙動の解明を目的としたマクロなモデル化の2つについて, それぞれ解析例を示しながら解説する。
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© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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