コンクリート工学
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コンクリート浮体構造物の現状
上田 茂
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1995 年 33 巻 6 号 p. 5-13

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抄録
コンクリート構造物は, 耐久性, 施工の容易さ, 鋼製に比べて低廉, 親水性, 免震性などの理由から数多く用いられている。本稿では, コンクリート浮体構造物として, 浮防波堤, 浮桟橋, 浮体橋りょう, 石油掘削用プラットホームなどの事例を紹介し, また, 技術的課題として, 断面力の計算法, 係留, 接合工法, ひび割れ対策, 材料などについて解説した。浮防波堤では, 長さ90m, 幅20mのものが建設されている。係留施設では広島港の浮桟橋の長さ150mのものが最大である。これらは矩形断面のものであるが, 平面形状が六角形のコンクリート製浮体も開発されている。大型浮体の建設にはこれらの要素浮体を接合する必要があるので, 洋上接合工法が開発され, 実証されている。浮体橋りょうは免震性があることから注目されているが, アメリカでは連続ポンツーン型のマーロー橋などが, また, 最近ノルウェーではセパレート型の浮体橋りょうが完成している。
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© 公益社団法人 日本コンクリート工学会
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