鉄道分野では, 営業線に近接した建設工事の施工性や列車走行の安全確保等の観点から, 線路近接の掘削工事を少なくするため, 地中ばりのない建築物や土木構造物の研究開発を進めている。本稿では, 地中ばりのない1柱1くい基礎構造の線路上空利用建築物および同種の高架橋の設計の考え方を紹介する。地中ばりのない構造形式のため, 下部構造と上部構造を一体としたモデルで静的弾塑性解析することを基本としている。また, 降伏メカニズムを形成する順序を規定するとともに, 柱とくいの接合部については降伏させないこととしている。