2006 年 44 巻 10 号 p. 27-34
炭素繊維プレートは, 高強度で軽量な優れた耐腐食抵抗性を有する材料である。近年, この材料を引張抵抗材として接着するだけでなく, 緊張材として用いる新たなプレストレス導入工法が開発され, コンクリート構造物の補強工法として適用されている。この工法は, 1本あたりの導入プレストレス量は小さいが, 既設の構造物に簡易に配置でき, 定着部に対する負荷が小さいことから, 補強に適したプレストレス導入工法である。本報では, この補強工法に対する安全性や補強効果の確認試験と適用の現状について, 報告するものである。