コンクリート工学
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ジャワ島中部地震 (2006年5月27日) の建物被害について
倉本 洋前田 匡樹
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2006 年 44 巻 12 号 p. 3-9

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抄録

2006年5月27日に発生したインドネシア・ジャワ島中部地震による建物被害状況を把握するために (1) 顕著な被害が報告されているジョグジャカルタ市内のRC造建物および (2) バントゥール地域の学校建物並びにその周辺の煉瓦造建物を主な調査対象とした現地調査を実施した。ジョグジャカルタ市内では地域により被害状況が異なり, (1) 地盤の被害, (2) 繋ぎ梁がないことによる屋根の被害, および (3) 建物の倒壊に大別できる。構造図面に基づいた静的非線形荷重増分解析から, (3) の地域における入力地震動レベルは標準せん断力係数換算で概ね0.2程度であったと推定される。学校建築および一般家屋は煉瓦壁の拘束が不十分な建物も多く, 木造屋根架構の強度・剛性が不十分であったため, 煉瓦壁の崩壊, 瓦の落下や屋根架構の崩落など甚大な被害を受けたと推察される。

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