開削トンネルの構築方法の一つである側壁盛替え工法は, 切梁反力を施工途中の片持ち梁状態の側壁で受け替えながら, 土留め支保工を撤去して躯体を構築する方法である。本工法は, 従来多く採用されてきた内梁盛替え工法と比較して, コスト縮減・工期短縮・安全性向上等が期待できる工法であるが, 本工法を用いる際の躯体応力度の評価方法についてはこれまで確立されていなかった。今回, 側壁盛替えによる施工時応力がコンクリート特有のクリープ特性により緩和されることに着目し, 躯体完成後の長期間経過時における応力を合理的に評価する計算法を確立した。本稿では, この計算法を実際の開削トンネル工事の設計・施工に適用した事例を報告する。