2026 年 23 巻 1 号 p. R002-
従来の第一原理GW法を本質的に超える新たな計算手法として,一次の3点バーテックス関数(Γ(1)= 1 + iGGW)までを考慮した第一原理GWΓ法の開発を行った(注:GW法とは最低次の3点バーテックス関数(ΓGW~1)を用いた手法である).本手法を19個の分子のB1s,C1s,N1s,O1s,そしてF1s内殻電子束縛エネルギー計算に適応し,GW法の計算結果や実験値などと絶対値で比較を行った.GW法では3.7-7.8 eV程度,実験値を過小評価する傾向があるのに対して,GWΓ法では,実験値との誤差は0.5-1.8 eV程度まで改善されることが確認できた.また二つの項から構成されるバーテックス補正項(ΣΓ=ΣΓ-occ+ΣΓ-emp)の影響を解析した結果,内殻電子束縛エネルギー計算ではΣΓ-occ項が支配的な寄与をしていることが明らかになった.そのため(計算コストが支配的であるにもかかわらずにほぼゼロの寄与しか持たない)ΣΓ-emp項を無視してΣΓ~ΣΓ-occとすることで,GW法と同程度の計算コストでGW法を超える高精度計算を実現することが可能であることを示した.