原子衝突学会誌しょうとつ
Online ISSN : 2436-1070
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  • 山口 敦史
    原稿種別: 解説
    2026 年23 巻1 号 p. R001-
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/01/15
    ジャーナル フリー

    トリウムの同位体トリウム229には,エネルギーがわずか8.4 eV(波長に換算すると148 nm)の原子核励起状態(アイソマー)が存在する.トリウム229の原子核は,基底状態とアイソマーの間の原子核遷移を使い,直接レーザー分光できる.その応用の1つとして注目されているのが,この原子核遷移の共鳴周波数を基準とする原子核時計である.原子核遷移の共鳴周波数は環境の影響を受けにくいため,原子核時計は既存の原子時計を上回る正確さ(確度)を実現できると期待されている.本稿では,トリウム229を使った原子核時計研究の現状を概観し,理化学研究所で行っているイオントラップ型原子核時計の開発について紹介する.

  • 野口 良史
    原稿種別: 解説
    2026 年23 巻1 号 p. R002-
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/13
    ジャーナル フリー

    従来の第一原理GW法を本質的に超える新たな計算手法として,一次の3点バーテックス関数(Γ(1)= 1 + iGGW)までを考慮した第一原理GWΓ法の開発を行った(注:GW法とは最低次の3点バーテックス関数(ΓGW~1)を用いた手法である).本手法を19個の分子のB1s,C1s,N1s,O1s,そしてF1s内殻電子束縛エネルギー計算に適応し,GW法の計算結果や実験値などと絶対値で比較を行った.GW法では3.7-7.8 eV程度,実験値を過小評価する傾向があるのに対して,GWΓ法では,実験値との誤差は0.5-1.8 eV程度まで改善されることが確認できた.また二つの項から構成されるバーテックス補正項(ΣΓΓ-occΓ-emp)の影響を解析した結果,内殻電子束縛エネルギー計算ではΣΓ-occ項が支配的な寄与をしていることが明らかになった.そのため(計算コストが支配的であるにもかかわらずにほぼゼロの寄与しか持たない)ΣΓ-emp項を無視してΣΓΓ-occとすることで,GW法と同程度の計算コストでGW法を超える高精度計算を実現することが可能であることを示した.

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