原子衝突学会誌しょうとつ
Online ISSN : 2436-1070
気液界面反応機構と大気化学
薮下 彰啓
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2011 年 8 巻 6 号 p. 18-

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抄録

海洋や海塩エアロゾル上で起こる不均一反応は大気の化学組成に影響を及ぼしている.海やエアロゾルを構成する塩を含む水溶液と気体との界面で,ハロゲン化物イオンとオキシダントガスが反応し,大気中へ活性ハロゲン種を放出すると提案されている.このような活性ハロゲン種は海洋境界層でオゾン破壊を引き起こす.これまでの研究により,バルクとは異なる,界面での特異的な反応促進,アニオン濃縮や界面特有の錯体の存在などが明らかになっている.本稿では,理論と実験研究などにより明らかにされつつある,気液界面反応機構の分子レベルでの理解について,最近の研究を紹介する.

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