抄録
1年間におよそ5万人の日本人が訪れる英国の田舎町がある。訪英日本人のおよそ25%に相応する。そこは、「ピーターラビット」の故郷として世界的に知られる湖水地方である。英国には、「ピーターラビット」をはじめ、「くまのプーさん」、「不思議の国のアリス」、「ピーターパン」など絵本・児童文学から誕生したキャラクターの舞台地が多い。本稿の目的は、「ピーターラビット」を活用しながら持続的な観光地づくりを実践している湖水地方に注目し、事例研究により、実態や因果関係の全体像や、歴史的変遷を把握しながら、その成功要因を検討することである。本稿が、わが国の都道府県・市区町村がキャラクターを活用した持続的な観光地づくりを推進する上で、一助となることを目指す。