保育士養成校に在籍する専門学校生に対するCATSの効果検証

抄録

本研究の目的は，保育士養成校に在籍する専門学校生を対象にCATSを実施し，その効果が保育実習後にも維持されているか否かについて検討することであった。プログラムの参加者は34名であり，事前，事後，フォローアップ調査を行い，その効果について分析を行った。一要因の分散分析の結果，親和傾向，トラブル処理スキル，コミュニケーションスキルは，事前よりも，事後とフォローアップの得点が高いことが明らかになった。一方で，問題解決スキルは，事後において得点の向上がみられたが，フォローアップでは事前と同程度の得点となっていた。そして，拒否不安と自尊感情では，プログラムの効果は認められなかった。以上の結果から，保育実習後においても本プログラムの効果が維持されていたことと，プログラムを実施する際の留意点について，議論がなされた。