カウンセリング研究
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原著
  • 小橋 亮介, 平石 賢二, 渡邉 賢二, 齋藤 信
    原稿種別: 原著
    2019 年 52 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル 認証あり

    本研究は,ひきこもりに対する支援を模索していくための基礎的研究として検討を行った。具体的には,気質的な自己制御のひとつであるECと青年期に獲得される社会的自己制御であるSSRが大学生におけるひきこもり傾向とどのように関連しているのかについて,性差を考慮しながら2つの仮説モデルを検討した。その方法として,3つの大学の514名の大学生に対して質問紙調査を実施した。ひきこもり傾向の下位尺度である他者からの評価への過敏さおよび自己否定・不全感において,女性のほうが男性よりも有意に得点が高かったため,多母集団同時分析による男女別の共分散構造分析を行った。その結果,ECがひきこもり傾向に対して直接的な関連があるモデルが採用された。ECはひきこもり傾向に対して直接的な負の関連があるだけでなく,SSRを介して間接的にひきこもり傾向に負の関連があることが示された。さらに,性別によってモデルに違いがあることが示された。以上から,ECがひきこもり傾向のリスク要因になりうること,SSRを高めることがひきこもりの支援に有効である可能性が示唆された。

  • 中村 恵子
    原稿種別: 原著
    2019 年 52 巻 1 号 p. 11-21
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル 認証あり

    本研究の目的は,不登校生徒の別室登校に対するチーム支援のプロセスとその促進要因を抽出することである。教室復帰を伴う別室での支援を経験した中学校の教職員23名の研究協力を得て半構造化面接が行われ,データはKJ法を援用して分析された。その結果,次の5カテゴリー・グループに統合されるチーム支援のプロセス・モデルが生成された。「Ⅰ. 学校経営計画での決定」「Ⅱ. 支援チーム形成」を経て,「Ⅲ. チームマネジメント」と並行する「Ⅳ. 生徒支援」が行われ,「Ⅴ. チーム支援の定着」にいたるというものである。「Ⅲ. チームマネジメント」は,不登校生徒の別室での支援を学校課題として意思決定する校長,チームを統括するコーディネーター,アセスメント・支援方針の策定を助けるスクールカウンセラーの三者の協働によって成立していた。「Ⅳ. 生徒支援」では,①家庭訪問支援,②別室環境への適応支援,③学校環境への適応支援,④学級復帰支援, ⑤部分参加を経た学級復帰という段階的支援が行われていた。また,支援の促進要因として,担任や学年部にこだわらず生徒との関係本位でチーム編成をすることと,別室内での課題の調整によって段階的に生徒の学校適応を進めることが抽出された。

  • 三宅 拓人, 濱口 佳和
    原稿種別: 原著
    2019 年 52 巻 1 号 p. 22-32
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル 認証あり

    本研究は中学生のアサーションを獲得することに対する動機づけ(アサーション獲得動機)に注目した。まず,中学生を対象とした質問紙調査によって,場面想定式アサーション獲得動機尺度を作成し,一定の信頼性および妥当性を確認した。続いて,作成した尺度を用いてアサーション獲得動機と行動傾向の関連を検討したところ,外的調整の得点は攻撃的行動群の方が向社会的行動群や低主張行動群よりも高かった。対照的に,同一化的調整や内発的調整の得点は,向社会的行動群の方が攻撃的行動群や低主張行動群よりも高かった。アサーション獲得動機の程度や質には,個人差があることが示された。

資料
  • 山口 豊一, 水野 治久, 本田 真大, 石隈 利紀
    原稿種別: 資料
    2019 年 52 巻 1 号 p. 33-46
    発行日: 2019/06/30
    公開日: 2021/02/01
    ジャーナル 認証あり

    本研究では,学校マネジメント,チーム援助体制,心理職活用およびチーム援助行動との関係を検討することを目的とした。そこで,小・中・高・特別支援学校の教職員1,966名に対する質問紙調査を実施した。その結果,管理職と一般教職員(主任層を含む)に共通して,チーム援助行動の[チーム援助への積極的関与]は,マネジメント委員会の[校長の意思の共有],チーム援助体制の[学年会・委員会の活用体制]と[学年会・委員会の会議の運営],心理職活用の[心理職の評価]から影響を受けていた。また,[チーム援助での役割遂行]は,マネジメント委員会の[教育活動の評価と見直し],チーム援助体制の[学年会・委員会の会議の運営],心理職活用の[心理職の評価]から影響を受けていた。一方管理職においては,[チーム援助への積極的関与]は,[情報共有・問題解決]から強く影響を受けるが,一般教職員においては,[学年会・委員会の活用体制]から強く影響を受けていた。「チームとしての学校」の実現に向け,校長のリーダーシップのもと,情報共有と問題解決の機能を高め,主任層が運営する学年会・委員会の活用体制を築くことが必要であることが示唆された。

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