2017 年 50 巻 3.4 号 p. 133-142
本研究では,若年就業者において「今後のキャリアに向けた具体的取り組み」「キャリアに関する相談や現状整理」「有意義な仕事経験」が「視野の広がり」を介してキャリア焦燥感(「切迫感」「キャリア構築への衝動」「キャリアの懸念」)を緩和させるというモデルに従い検討した。20代の就業者475名を対象としたインターネット調査を実施し,共分散構造分析を行った。その結果,(1)「短期目標の設定と取り組み」「独学によるスキルや知識の習得」「自分の考えや現状の整理」「キャリアに関する相談」「有意義な仕事経験」が「多角的視点」を介して「切迫感」につながっていること,(2)「キャリアに関する相談」が「切迫感」と「キャリアの懸念」を緩和していることが明らかとなった。