2024 年 57 巻 2 号 p. 107-117
通常学級において学校不適応が疑われる発達障害のある小学5年男児を対象として,人間関係形成支援を実施した。具体的には,通常学級において計5回の構成的グループ・エンカウンターによる介入を試みた。学級診断アセスメントである「たのしい学校生活を送るためのアンケート」,各セッション後の「振り返りカード」や感想文,エピソードの分析を用いて支援効果を検証した結果,対象児の心理面や行動面において肯定的に変化したことが明らかになった。心理面では,構成的グループ・エンカウンターを全セッション終えた後に対象児の学級満足度や学校生活意欲が高まったことが確認された。また,各セッション後には,「満足感」「親和的関係」「集団学習意欲」「集団凝集性」に関して高く自己評価する姿がみられた。行動面では,構成的グループ・エンカウンターを実施するごとに,友達との関わりが増していった。同様に,休み時間において友達と雑談する場面が多くみられるようになった。このように心理面にも行動面にも好転する変容が認められたことから,A児に対するSGEを用いた支援は有効であったと考えられた。