抄録
本研究においては、ドイツ・ノルトライン-ヴェストファーレン州において大型小売店舗の建設誘導計画を通じた立地コントロールの実態を調査・分析している。結論としては、まず立地コントロール規準の適合性の判断に関し、判断資料となる数値の導出過程が明示的ではないこと、及び規準が抽象的なため主体によって適合性の判断基準が異なることが、明らかになった。また、これらの帰結として異なる結論の意見書が出されていたが、それらを専門的観点から調整する場は存在していないことが明らかになった。さらに、一方ではこの立地コントロール規準が、実質的には政治的な裁量の枠を限定していることも明らかになった。