都市観光において観光資源をわかりやすく示すことは重要である。多くの都市で観光資源を観光者にわかりやすく示すために、それをつなぎルート化しているが、行政の設定した既存の観光ルートは必ずしも魅力的とは言えない。そこで本研究では効果的な観光ルートのあり方を考察することを目的とする。そのためにまず地域住民の視点から観光資源を捉えている観光ボランティアガイドに注目して、観光者のその都市の経験の違いによって、ガイドルートをどう変えているか見ていき、さらにガイドの経験の違いがガイドルートの設定に与える影響を考えていく。
本研究の結果、都市を初めて訪れた観光者に関しては、既存の観光ルートで十分対応できるが、その都市に来たことのある観光者には観光ボランティアガイドのように地域住民の視点から見た観光資源を盛り込んでいて、歴史性などテーマ性がある観光ルートの設定が必要であることがわかった。