都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第43回学術研究論文発表会
セッションID: 155
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工業団地の用途転換による大規模商業集積に関する研究
栃木県を対象として
*城間 奨藤井 さやか有田 智一大村 謙二郎
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抄録

近年の景気低迷や産業の高度化を背景に、企業の設備投資・新規進出は縮小傾向にあり、地方都市では空地の多い工業団地が目立つ。これらの中には、まちづくり三法で規制対象から外れている準工業地域に指定されている敷地もあり、大規模集客施設の立地が懸念される。そこで本研究では、栃木県を事例として、工業団地への大規模商業施設立地の経緯と都市計画的課題を明らかにすることを目的として分析を行う。まず、工業団地の企業及び大規模小売店舗の立地実態から、大規模商業が集積している工業団地は2件あり、広大な空き地が残る工業団地が6件あることが確認された。次に、2団地における大規模集客施設の立地・集積経緯を調査した結果、社会状況の変化により工業系企業の進出が少なく、土地活用策として用途地域を変更して商業施設を受け入れていたこと、また集積した商業床面積は中心市街地に匹敵する規模であることが分かった。工業団地への商業集積は、空地の活用という点では一概に否定できないものの、中心市街地活性化政策との矛盾の解消や広域的な観点での商業施設立地の影響に考慮するべきとの知見を得た。

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© 2008 公益社団法人 日本都市計画学会
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