本研究では,地方小規模自治体におけるインフラ資産投資、管理政策が,自治体財政の長期的な健全性に及ぼす影響を分析する.具体的には,総務省方式改訂モデルに基づく公会計基準に基づいて,地方自治体の損益計算書,バランスシートを作成するとともに,自治体の歳出政策が,損益計算書,貸借対照表で表現される自治体ストック,フローの経年的な変化に及ぼす影響について財政シミュレーションモデルを用いて分析する方法を提案する.さらに,具体的に鳥取県日南町を対象として,インフラ資産管理政策(新規投資,および維持補修投資)が,同町における資産ストックの経年変化,および財政状態の健全性に及ぼす影響に関して実証的に分析する.