都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第45回学術研究論文発表会
セッションID: 30
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地域的な景観保護への正当性判断と相互拘束への遵守意向の背景要因に関する研究
*白川 慧一坂野 達郎杉田 早苗
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抄録
近年の大規模建築物をめぐる紛争、景観訴訟などを背景として、景観保護のための制限を行う事例が増えている一方で、景観規制の強化に根強い批判がある。 景観保護を理由に現行法をこえて権利制限を認める条件については、法学上議論がある。また、景観保護のための権利制限に対する市民の受容可能性は、必ずしも明らかにされてはいない。 本研究は、法学上の景観保護をめぐる議論を三つの立場に整理した上で、市民自ら景観保護に責任を有することと関係する、私益と公益の重なり合う利益としての認識、主体間の立場の互換性、相互依存関係といった要因と、景観規制を適用することへの正当性判断および相互拘束ルールが存在する場合に遵守するかどうかの意向との関係性を、一般市民を対象とする意識調査により検証する。 空間的広がり、歴史性など景観そのものに関する評価の高低は安定的には有意な影響を与えず、むしろ、受益範囲の広さ、他者の相互拘束ルール遵守意向といった、自らをとりまく他者と対象景観との関係に対する期待のほうが、景観保護の正当性判断や相互拘束ルール遵守意向に影響を与えることが明らかとなった。
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© 2010 公益社団法人 日本都市計画学会
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