人口減少・少子高齢化時代において、地方都市では近い将来の世帯減少が見込まれており、既成の住宅市街地の適切な更新を含めた持続可能な都市のあり方が求められている。その実現に向けては、市街地の空間特性、居住者特性とその変容状況を地区レベルで把握する必要がある。そこで本研究では、盛岡市を対象に1995年と2005年の二時点における町丁目別データに基づく市街地空間と人口構成の変化から住宅市街地を類型化した。その結果、市街地空間の広がりが地域性を持つこと、人口構成の偏りの発生との関連があることが確認できた。居住者・空間の変容状況も踏まえて類型化したところ、開発時期の古い一戸建て持ち家住宅地で人口構成や住宅の更新に課題がある地区が示された。