総合理学療法学
Online ISSN : 2436-388X
Print ISSN : 2436-3871
歩行再獲得したHTLV-1関連脊髄症の急速進行例
~急性期と回復期のリハビリテーション経過~
西村 充司山木 健司池上 泰友越智 淳子
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ジャーナル オープンアクセス 早期公開

論文ID: 2024-010

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抄録

【はじめに】HTLV-1関連脊髄症(HTLV-1-Associated Myelopathy:以下,HAM)の急速進行例に対して,ステロイド療法に併せたリハビリテーションにより,基本動作能力の向上を認めた。HAM急速進行例のリハビリテーション経過の報告は見当たらないため,今回,その経過を報告する。

【症例紹介】60歳代の女性,約3ヶ月の短期間に歩行障害が進行し,体動困難で入院した。HAMの急速進行例と診断され,高用量ステロイド療法が行なわれた。

【経過】寝返りや起き上がり動作も困難だったが,ステロイド療法に併せて,体幹機能に着目した床上動作練習により,寝返り・起き上がり・座位保持・車椅子移乗が可能となった。さらに,急性期から回復期にわたる歩行練習によって,歩行器歩行や伝い歩き,階段昇降が自立し,自宅退院した。

【考察・まとめ】HAM急速進行例に対して,早期からの床上動作練習や歩行練習などのリハビリテーションにより,基本動作能力が向上し,歩行再獲得に至った。

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© 2024 一般社団法人 大阪府理学療法士会生涯学習センター
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