論文ID: 2025-006
【はじめに】通いの場が効果的に機能する要支援高齢者の特徴から,通いの場への適切な移行支援方法について一事例の経過をもとに考察する。
【事例紹介】腰部脊柱管狭窄症術後に外来リハビリテーションを開始した80歳代前半の女性(要支援2)である。外来そして通所リハビリテーションを経て通いの場(体操教室)へ移行した。事例は他者との接触そのものに肯定的で,他者から注目されることへの動機を示した。健康に対する責任の所在は,自己を意味する内的統制と外的統制である家族で高値を示し,外的統制の専門家と偶然は平均的な値を示した。
【経過(結果)】通いの場を1年以上に渡り継続利用できた。また,軽強度の身体活動量が増加し,痛みに対する心理的側面の改善を認めた。
【考察・まとめ】他者との関わりを好み,健康に対して高い自己と適度な専門家へ所在を有する特徴を示す事例は,主体的かつ社会的な行動が求められる通いの場に適応しやすく,親和動機と健康統制感を用いた評価は,その移行を提案するための一助となる可能性がある。