千葉県立保健医療大学紀要
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Print ISSN : 1884-9326
総説
アルブミン測定法の違いによる栄養および臨床病態指標に及ぼす影響
小川 真
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2017 年 8 巻 1 号 p. 1_3-1_8

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抄録
 血清アルブミン(Alb)の測定には従来bromcresol green(以下,BCG)色素法が広く用いられてきた。しかしこの方法には,急性相反応物質とも反応するという欠点があり,現在はこの欠点の少ないbromcresol purple(BCP)改良法が普及してきた.本稿では現在使用中の病態・栄養状態診断や分類基準に加え公的サービス対象患者認定に至るまでAlb値は基本的にBCG法に基づいておりBCP改良法への対応に課題が残ることを改めて示した.臨床検査医学会からはBCP 改良法で 3.5g/dL以下なら,病態識別値の換算への使用に限り,BCP 改良法による測定値に 0.3g/dLを加えた値をBCG 法での推測値と近似するという提案がなされたが,治療方針の決定や予後判定にAlb値が用いられる場合があり慎重な対応が必要となる.2つの測定法が混在する現状では測定方法の確認が必須であり,Alb値を含むデータの公表に際して測定法の明示が必要であることが再確認された.
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© 2017 千葉県立保健医療大学
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