千葉県立保健医療大学紀要
Online ISSN : 2433-5533
Print ISSN : 1884-9326
最新号
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原著
  • 竹内 久美子
    2016 年 7 巻 1 号 p. 1_3-1_9
    発行日: 2016/03/29
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
     新卒看護師の「やめたい気持ち」と「自己効力感」の変化について明らかにするために,「やめたい気持ち」の強さ,「一般的自己効力感」を測定する調査票を作成し,新卒看護師573名を対象として,縦断的に3回(4・7・10月)の調査を実施した.
     「やめたい気持ち」の強さの変化,「一般的自己効力感」の変化,「やめたい気持ち」の強さ・「自己効力感」の関連性を確認した.「やめたい気持ち」の強さは,4月が最も弱く,7月・10月と徐々に強まっていた.この「やめたい気持ち」の強さには,「一般的自己効力感」が影響していた.具体的には,その時点での「一般的自己効力感」得点が高いことは,「やめたい気持ち」を弱めていた.さらに少し前の「一般的自己効力感」得点が高いことは,「やめたい気持ち」を強めており,「やめたい気持ち」の強さは,「一般的自己効力感」から影響を受けていることが確認された.
報告
  • ─緩和ケアに切り替える時,および切り替えた後の意思決定の実態─
    杉本 知子, 森 一恵
    2016 年 7 巻 1 号 p. 1_11-1_19
    発行日: 2016/03/29
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
     がんを有する介護保険施設利用者(以下,がんを有する利用者)が緩和ケアに切り替える時,および切り替えた後の意思決定の実態について明らかにすることを研究目的とした.
     2012年12月~2013年11月に,関東地方にある3か所の介護保険施設(介護老人保健施設,もしくは介護老人福祉施設)のいずれかに勤務し,がんを有する利用者へのケアの経験をもつ介護職員10名への半構成的面接調査を実施し,面接内容は逐語記録にし,内容分析を行った.
     面接では,研究対象者の全員が,緩和ケアに切り替えた後の利用者の看取りを行った経験について語っていた.その際には,利用者本人には病名等の説明が行われず,家族の意向に沿って意思決定が行われていることが示された.また,《家族はがんの治療よりも認知症が気がかり》になることや,《家族は病状の改善には消極的になる》ために,《家族は医療に頼らず自然死を要望する》という実態あることが明らかになった.
     がんを有する利用者の意思決定には,利用者の家族が抱く年齢や認知症に対する先入観が影響を与える可能性があると思われた.このような意思決定は,介護保険施設で療養生活を営むがんを有する利用者に特徴的であると考えられた.
  • 西野 郁子, 齊藤 千晶, 石川 紀子
    2016 年 7 巻 1 号 p. 1_21-1_27
    発行日: 2016/03/29
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
     慢性疾患患児の学校生活に関する家族から学校への相談内容と,学校関係者の理解を得られる話し合いが進められた要因を明らかにし,家族と学校関係者との連携に関して医療者が行う支援を検討することを目的として調査を行った.対象者は,慢性疾患のため学校での配慮が必要な小中学生の子どもの母親10名であった.母親に対し,学校での配慮についての学校関係者との相談内容と相談方法,相談についての話し合いの時の考えについて半構成的面接を実施した.
     調査の結果,家族は給食への配慮,体調不良時の対応,行事への参加などの相談をしていた.また,学校関係者に理解を得るための話し合いに影響した要因として,《親からのアプローチの工夫》《子どもの能力に対する親からの保証》《学校側の受け入れへの態勢》《医療者からの支援の活用》が抽出された.親の説明能力を高めることや,個別の病状に合わせた説明資料の作成など医療者による支援が検討された.
短報
  • 小坂 美智代, 高田 麻依子
    2016 年 7 巻 1 号 p. 1_37-1_41
    発行日: 2016/03/29
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
     経口抗がん剤治療を受けている外来患者に対する看護実践上の課題を明らかにすることを目的とし,外来看護師13名に半構造化面接を実施した.分析の結果,看護実践上の課題は,【関わりたくても介入そのものを阻む業務の多忙さ】【業務体制や組織の取決めによる,経口抗がん剤治療を受けている患者と関わる機会そのものの限界】【外来看護の専門性を発揮していくことへの組織的障壁】【外来看護師として経口抗がん剤治療を受けている患者に関わる必要性を意識することの難しさ】【服薬コンプライアンスの不備やセルフケアの確立が難しい患者の存在】の5項目に集約された.この看護実践上の課題は組織的要因が基盤にあることから,組織内・外での外来看護の重要性への理解を深め,看護の専門性が発揮できるような意識変容や組織マネジメントの必要性が示唆された.
資料
  • ─在宅復帰率の向上に向けた取り組みと課題─
    佐伯 恭子, 鳥田 美紀代, 杉本 知子, 上野 佳代
    2016 年 7 巻 1 号 p. 1_43-1_49
    発行日: 2016/03/29
    公開日: 2019/07/31
    研究報告書・技術報告書 フリー
     平成24年度の介護報酬改定では在宅強化型の基本報酬が創設され,介護老人保健施設(以下,老健)から在宅に戻る流れが推進されているが,算定を取得している施設は少ない.そこで,在宅強化型の算定を取得した老健でおこなわれている実際の取り組みと,現状における課題を明らかにすることを目的に文献検討をおこなった.
     文献検索は,医学中央雑誌Web版などを用いておこなった.文献は2012年以降のものとし,検索のキーワードは「介護老人保健施設」「在宅強化型」「在宅復帰」「在宅療養支援」とした.その結果,在宅強化型老健に関する文献は32件が抽出された.
     在宅強化型老健における在宅復帰率向上に向けた実際の取り組みは,〈入所前や入所時点で入所目的を明確化〉,〈リハビリテーションの重視〉,〈在宅介護が可能かもしれないと思えるための家族支援〉など,現状における課題は,《ベッド稼働率の低下》や《入退所が増えることによる業務負担増加》などであった.
     在宅強化型老健で在宅復帰率を向上させるためには,利用者個々に対する在宅復帰のための具体的な目標を利用者や家族とともに設定し,その目標に向かって多職種協働でかかわることが重要であると考えられた.
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