抄録
症例は57歳女性.45歳時から気管支喘息を認め内服加療していた.2008年8月中旬より37℃台の微熱と両側足関節痛が出現し,両下肢に蕁麻疹様皮疹の出現と消退を繰り返していた.同年8月下旬より39℃台の発熱,両手背と両下腿に紫斑,血疱の出現を認め,9月9日当院に入院.検査所見で末梢血好酸球増多(好酸球14%:1100/μl),CRP上昇(10.7mg/dl),非特異的IgEの上昇(943IU/ml)を認め,さらにMPO-ANCA高値(920EU),尿蛋白,顕微鏡的血尿を認めていた.入院後,両下腿を中心に四肢に紫斑を認め,又,広範囲の血疱を,皮膚潰瘍を形成した.皮膚紫斑の病理組織所見では真皮中層に好酸球浸潤を伴う白血球破砕性血管炎を認めた.Churg-Strauss症候群と診断し,ステロイドパルス療法を含むステロイド治療を行い解熱,CRPも改善した.Churg-Strauss症候群において広範囲の血疱・皮膚難治性潰瘍を認める症例は稀であり,貴重な1例と思われ報告する.