臨床リウマチ
Online ISSN : 2189-0595
Print ISSN : 0914-8760
ISSN-L : 0914-8760
原著
関節リウマチ患者におけるアダリムマブの長期使用成績
三橋 尚志万波 健二
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 23 巻 4 号 p. 305-310

詳細
抄録
目的:アダリムマブ(ADA)の長期成績をX線学的評価も含めて検討した.
対象・方法:対象はADAを投与開始後2年以上経過したRA患者56例(男性14例,女性42例,平均年齢61.4歳)で,他の抗TNF製剤からのスイッチングは39例,抗TNF製剤未投与例は17例であった.ADAを2週間に1回皮下注射し,臨床評価は投与開始4,8,12,16,24,52,104週後にEULAR改善基準(DAS28CRP)を用いて行い,投与開始2年後にMHAQおよびシャープ法を用いて機能的評価,画像的評価を行った.
結果:56例中2年間ADAを投与継続し得たのは22例で,DAS28CRPおよび血中MMP-3濃度ともに2年間有意な減少を認めた.効果不十分あるいは2次性無効による中止は25例であり,副作用による中止は5例,自己の都合による中止は4例であった.2年間継続し得た22例においてMHAQを用いた機能的評価では有意な改善が得られ,画像的評価でも特にgood response群(14例)において骨関節破壊抑制効果が認められた.
結論:ADAにより疾患活動性が抑制された例では,2年後の機能および画像評価において明らかな改善効果が得られた.
著者関連情報
© 2011 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top