臨床リウマチ
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誌上ワークショップ 生物学的製剤の新しい展開
関節リウマチに対するインフリキシマブ増量効果の多施設共同研究(IFX Study)―第1報―
福田 孝昭
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2011 年 23 巻 4 号 p. 387-391

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抄録
   Infliximabは,用法・用量の増加・短縮が認められたものの,段階的に増量する方法や,投与間隔の短縮に対する有効性,安全性については,日本人におけるエビデンスがない.福岡RA生物学的製剤治療研究会では,増量あるいは投与間隔を短縮した際の,DAS28スコア改善効果や低疾患活動性の維持効果について検討した.今回,増量後6ケ月を経過した38例についてまとめた.男28.9%,女71.1%,平均年齢56.2歳,罹病期間は平均13.4年と罹病期間は長い症例が多く,MTX併用量平均7.7mgで,SteinbrockerのStageはⅠ:2.6%,Ⅱ:15.5%,Ⅲ:23.7%,Ⅳ:57.9%と進行例が多く,Classは1:2.6%,2:52.7%,3:42.1%,4:2.6%で,ステロイドの併用率は81.3%であった.結果:増量前と6ケ月後のDAS28の平均は,4.6から3.6へ有意(p<0.001:t検定)に低下した.増量前全て中疾患活動性以上を示していたが,6ケ月後は,低疾患活動性10例(26.3%),寛解症例が7例(18.4%)と,全体の約45%の症例が,低疾患活動性以下と明らかな有効性が認められた.副作用発現頻度は低く,IFXの段階的な増量は,より高い治療目標達成の実現に期待できる結果であった.
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© 2011 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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