臨床リウマチ
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原著
脳神経障害と汎下垂体機能低下症を呈し,多発血管炎性肉芽腫症による下垂体炎との鑑別を要した肺癌の下垂体転移の一例
米澤 春花大村 晋一郎宮本 俊明森嶌 早紀綿引 基林 千雅三輪 秀樹川路 博史大月 寛郎椙村 益久
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2024 年 36 巻 1 号 p. 56-63

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抄録

 86歳女性.X-2年に多発血管炎性肉芽腫症(GPA)と診断,治療されて寛解となった.X年1月に肺腺癌(Stage IA)が出現したが,放射線療法が奏功し,縮小を保っていた.同年5月に汎下垂体機能低下症を伴う下垂体腫大を認め,高用量ステロイドで治療したが,治療中に病変が増大し,下垂体生検で肺癌の下垂体転移と診断した.GPAの下垂体病変と悪性腫瘍の下垂体転移との鑑別は非常に難しく,積極的な組織学的評価が望ましい可能性が示唆された.

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© 2024 一般社団法人日本臨床リウマチ学会
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