本研究では,NaCl溶液へのセメントペーストおよびモルタルの2ヶ月間の短期間浸漬実験を行った後,3点曲げ試験および化学分析を行った。その目的は,曲げ試験から得られた荷重-変位関係から逆解析により,メソスケール解析に適用可能な引張軟化曲線を同定し,化学分析により同定した供試体中の水和物量との両者の関連性を評価することにある。最終的に,水和物の減少に伴う,セメントペーストとモルタルの引張強度,弾性係数,破壊エネルギーの変化を捉えることができた。さらに,水和物の影響を含めた引張軟化曲線のモデル化を行った。