コンクリート工学論文集
Online ISSN : 2186-2745
Print ISSN : 1340-4733
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  • 丸田 浩, 櫨原 弘貴, 添田 政司
    2024 年 35 巻 p. 1-12
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/15
    ジャーナル フリー

    本研究では,各種固形パラフィンのうち,石油由来のものが凍結融解抵抗性の向上に有効であることを確認できたことから,その水和反応に及ぼす影響を確認し,施工工程により空気量が減少したことを想定したコンクリートにおいて,凍結融解抵抗性および凍害と塩害の複合劣化抵抗性における固形パラフィンの効果を検討した。検討の結果,石油由来の固形パラフィンの混和は,セメントの水和反応に影響を及ぼさないこと,塩化物イオン供給環境下においても凍結融解による相対動弾性係数の低下は認められないことを確認した。凍結融解抵抗性向上の機構は,混和した固形パラフィンが200μm以下の集合体として存在し,見かけの気泡間隔係数が小さくなること,および毛細管空隙の連続性を遮断した効果によると推察された。

  • 中瀬 皓太, 橋本 勝文, 杉山 隆文, 河野 克哉
    2024 年 35 巻 p. 13-23
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/05/15
    ジャーナル フリー

    3Dプリンティング技術によるコンクリート構造物の構築においては,造形に起因する強度の異方性が広く知られている。積層構造の特徴である積層界面および残存空隙の形成および破壊進展挙動には,積層経路が影響を及ぼすと考えられる。本論文では,積層経路の異なるモルタル積層体において,圧縮,引張および曲げ応力下における破壊進展挙動を評価した。特に,圧縮載荷時にX線CT法による内部構造の観察,3Dスキャンによる変形分布の評価を行った。引張および曲げ応力下では,デジタル画像相関法によって,積層経路の違いが破壊進展挙動に及ぼす影響を評価した。その結果,積層経路に依存する残存空隙構造の形成に基づく破壊進展挙動を明らかにした。

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