コンクリート工学論文集
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  • 大場 雄登, 恩田 邦彦, 津野 和宏
    2026 年37 巻 p. 1-9
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/15
    ジャーナル オープンアクセス

    土留め壁等を用いて鉄筋コンクリート基礎を構築する工法があるが,鉄筋量が多い仕様の場合には過密配筋によるコンクリートの充填不良や配筋工期の長期化等の懸念が生じる。筆者らは,上記を解決するため複合構造橋脚に用いられる突起付きH形鋼を基礎の主鋼材として活用することに着目した。しかしながら,基礎構造では橋脚に比べ主筋比が高い仕様の場合もあり,突起付きH形鋼を適用した際における複合構造基礎の構造性能は不明確であった。本研究では,主鋼材比4%程度の仕様にて突起付きH形鋼をRC基礎の主鋼材に適用した複合構造基礎の試験体を用いた正負交番載荷試験を実施し,複合構造基礎が一般的なRC基礎と同等以上の構造性能を有することを確認した。

  • 鎌田 知久, Vu Viet Cuong, 岸 利治
    2026 年37 巻 p. 11-20
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/15
    ジャーナル オープンアクセス

    コンクリート中の鋼材腐食に起因するひび割れや剥離剥落の発生は,中性化と水の浸透の複合作用により生じるため,特に維持管理段階での将来予測を合理的に行うためには,両者を適切に考慮することのできる変状予測手法が必要となる。そこで本研究では,維持管理への適用を想定し,中性化の進行度に応じて水が浸透した際の鋼材腐食速度が変化するモデルを組み入れた,腐食ひび割れや剥離・剥落発生年を簡易に予測可能な変状予測手法を提案した。また,実構造物の調査結果を用いて提案手法が変状の発生時期を概ね良好に予測できることを確認した。

  • 扇谷 匠己, 吉野 竣, 江口 琢茉, 北嶋 圭二
    2026 年37 巻 p. 21-34
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/15
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,RC造共同住宅を対象に,事前解析や設計資料を必要とせず,2台の加速度センサのみで損傷評価が可能なモニタリングシステムの開発と検証を行った。本システムでは,加速度記録に基づいて推定される「最大全体変形角」と「全体塑性率」を損傷評価の指標として用いる。ここで,「全体塑性率」とは,部材の降伏等により建物全体の剛性が低下した変位を「損傷変位」と定義し,損傷変位で最大相対変位を除した値として算定される指標である。相対変位および損傷変位の推定精度については,主に時刻歴応答解析結果を用いて検証を行った。その結果,最大全体変形角および全体塑性率により損傷評価が可能であることを示すとともに,本システムが応急危険度判定への活用可能性を有することを確認した。

  • 奥主 謙太郎, 安東 修一, 鵜澤 正美
    2026 年37 巻 p. 35-46
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/03/15
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,はじめに再生骨材製造時に副次的に発生すると想定される廃コンクリート微粉の物性を確認したのち,ボールミル混合法により活性化した廃コンクリート微粉にさらにシリカフュームを少量添加したモルタルの圧縮強度と塩分浸透性を評価した。その結果,普通ポルトランドセメントおよび高炉セメントB種のモルタルに対して圧縮強度の増進効果があること,特に高炉セメントB種の場合においては廃コンクリート微粉とシリカフュームの添加によりシリカフュームのポゾラン反応が強く発現し,圧縮強度が増進することを明らかとした。また,塩分浸透性に関しては,使用セメントによらず廃コンクリート微粉の添加により,塩分浸透が抑制されることを明らかとした。

  • 松永 健太郎, 谷 昌典, 新上 浩, 田野 健治
    2026 年37 巻 p. 47-55
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/05/15
    ジャーナル オープンアクセス

    柱頭部および柱脚部の経験最大曲げモーメントが既知であることを前提とした,アンボンドPCaPC柱部材の簡易的な損傷度判定方法を提案した。限界状態に基づいて損傷度を判定する場合,「コンクリート」と「残留ひび割れ幅」の2項目についてのみ損傷度を判定すれば,柱部材の最終的な損傷度判定結果が得られることが明らかになった。「残留変形角」については判定する必要はない。圧縮側コンクリートのひずみで表される「コンクリート」の限界状態を,軸圧縮力比(軸力比と有効プレストレスレベルの和)の二次曲線で表されるアンボンドPC部材の各種限界状態時の曲げモーメントに変換することで,経験最大曲げモーメントから「コンクリート」の損傷度を判定できる。

  • 伊藤 嘉則, 楠 浩一
    2026 年37 巻 p. 57-69
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/07/15
    ジャーナル オープンアクセス

    既往の研究で,曲げ降伏先行型となる中低層RC造建物について,大地震時の非線形応答変位を陽に推定できる予測式を提案した。本論文では,予測式を構成する減衰補正係数と塑性率の平方根による両者の因子が,速度一定領域において非線形応答変位の進展を互いに相殺しあう関係(「応答変位の相殺効果」と定義)にあることを論じた。また,最大応答変位を得る履歴1サイクルループ時の等価周期と等価減衰を定義し,16種類の観測地震動を入力波(合計94波)とする地震応答解析をもとに等価減衰時と減衰定数5%時の速度応答の比から減衰補正係数を導出する手法を整理し,内陸地殻内地震動に関する「応答変位の相殺効果」を評価することができる算定式を提案した。

  • 音道 薫, 迫井 裕樹, 阿波 稔, 三井 功如
    2026 年37 巻 p. 71-82
    発行日: 2026年
    公開日: 2026/09/15
    ジャーナル オープンアクセス

    本研究では,厳しい凍害環境において使用される,コンクリートの締固め時間および型枠・養生条件が品質および耐久性に及ぼす影響を実験的に検討した。具体的には実機試験により,振動締固め時間および型枠・養生方法の影響を,圧縮強度試験,スケーリング試験,表層透気試験および表面吸水試験により比較した。その結果,透水型枠を用い,締固め時間15秒,標準養生後に粘着保水シートによる14日間の追加養生を行うことで,最も高い品質・耐久性が得られた。さらに実構造物においても,適切な締固めと標準養生に追加養生を加えて14日以上行うことで,型枠種類を問わず高い表層品質が確保でき,建設後約6年を経過しても当初の品質が維持されていることを確認した。

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