ポリマーセメントモルタルの乾式吹付け工法と補強用せん断補強筋の増設を併用した方法による,既存鉄筋コンクリート造柱の耐震補強効果について検討した。補強用せん断補強筋として,高強度炭素繊維グリッド,溶接フープ筋,溶接金網を設置し,ポリマーセメントモルタルを乾式で吹き付けた柱高さ比h0/D=2, 3,軸力比η=0.3, 0.6の柱試験体に関して正負交番繰返し試験を行なった。その結果,提案工法で補強することによって,既存RC造柱のせん断終局強度と変形能を大幅に増大させることができ,耐震性の向上が図れることが確認された。また,提案工法で補強された既存RC造柱のせん断終局強度の算定式を提案した。