2011 年 22 巻 2 号 p. 2_23-2_34
自己充填コンクリートは,極めて高い流動性が必要とされるために,材料分離を起こしやすい。その施工性予測のためには,流動解析とともに材料分離解析が望まれる。材料分離解析では,材料分離現象を定量的に評価する必要がある。そこで,本研究では,降伏値や塑性粘度というモルタル自身の物性値ではなく,粗骨材がモルタルから分離するときの粗骨材とモルタル間の相互作用を検討した。実験として,モルタル中で球体を正負交番に相対変位させ,球の移動抵抗力を測定した。実験結果から,この条件においては相互作用をビンガムモデルでは表すことができないことを明らかにし,相互作用を表せ得る新しいレオロジーモデルを構築した。また,このレオロジーモデルの適用例として,粗骨材の沈降分離を評価する方法を示した。