Crustacean Research
Online ISSN : 2189-5317
Print ISSN : 0287-3478
ISSN-L : 0287-3478
ダンゴムシの性分化機構 : 造雄腺と雄性徴との関係
鈴木 幸子山崎 建次
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 24 巻 p. 93-103

詳細
抄録

ダンゴムシの性分化の過程を光学顕微鏡で形態学的に観察した.孵化後,2回目の脱皮を終えた3齢の雌雄では内部と外部の生殖器官に性差は認められない.雄では4齢で内部生殖器官原基が精巣へと分化を開始し,5齢で雄の交尾器の伸長,6齢で分化が進行中の精巣の先端に造雄腺の形成が認められた.今回ダンゴムシの雄の性分化を観察した結果,造雄腺の形成が形態学的に認められる時期よりも早い発生段階において内部生殖器官原基が精巣へと分化を開始していることが判明した.

著者関連情報
© 1995 日本甲殻類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top