日本色彩学会論文誌
Online ISSN : 2436-7451
特集:色彩と心理
香りの弁別における色の影響
本島 愛祐香根岸 一平
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2025 年 3 巻 2 号 p. 43-54

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抄録

 本研究では,嗅覚刺激と視覚刺激を同時に呈示する際に,香りと色の関連性の強さが弁別能力に影響するのかを調査するために2つの実験を行った.実験1では被験者は4種類の香りを「香りから想起される色」,「想起される色の反対色」,「黒色で書かれた番号」のそれぞれと関連付けて記憶し,それらの弁別を行った.その結果,番号と関連づけて記憶した場合に比べて,想起される色と関連づけて記憶した場合には正答率が上昇し,反対色と関連づけて記憶した場合には正答率が低下するという結果が得られた.実験2では,想起される色とその反対色のそれぞれと関連付けて呈示した香り刺激に対する弁別感度を測定し,想起される色と同時に呈示して記憶された香りはより感度が高くなることがわかった.これらの結果から,香りから想起される色を呈示することで香りの弁別正答率が向上すること,香りと色の同時呈示が香りの弁別感度に影響することがわかった.

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© 2025 一般社団法人 日本色彩学会
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