抄録
蛇紋岩は一般にメッシュ組織として認識される蛇紋岩化作用進行時に形成された置換性のリザルダイトおよび沈澱性のクリソタイル(±ブルーサイト+磁鉄鉱)からなる部分と、約40℃といわれる蛇紋岩化作用下限温度(O'Hanley,1996)以下で生成する置換性の風化鉱物(パイロオーライトやコーリンガイト)および沈澱性のクリソタイル(±ブルーサイト)からなる部分から構成される。半ば蛇紋岩化したかんらん岩に認められる完全蛇紋岩化バンド、複合蛇紋石バンド、偽メッシュ組織などは蛇紋岩化作用下限温度周辺のイベントを示している。